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どんどん日本は「決して政権交代できない国」になりつつあるが、それはそれでいいのかもしれない

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1●日本の野党は「絶対政権交代などしない野党」になりつつあるのかもしれない? 立民の枝野代表が選挙前に「野党共闘によって、全盛期のイチローの打率ぐらい(3割台後半)は政権交代の可能性がある」と言ったりする期待の中行われた総選挙ですが、結果として ・自民党は単独過半数・自公で絶対安定多数を確保 ・立民&共産は公示前議席数割れ ・むしろ伸びたのは維新で、公明を超える第三党に躍進 ・国民民主党もなかなかの健闘を見せた …という結果に終わりました。  正直言ってこの結果を見て私は結構「ほっとした」ところがあります。 私は日本の選挙制度の細部に全然詳しくないので、選挙前にツイッターでよく見かけた 「自民党が勝っているように見えるのは選挙制度のバグであり、野党が統一候補を立てて戦って、あとは”ちょっとした風”さえ吹けば政権交代だってありえるのだ!」 …というような勇ましい意見を頭ごなしに否定できる材料がなくて「え?そうなの?本当かなあ?」と思っていたんですよね。(一応一般的な範囲での選挙制度とか現状の支持率とかを見るとそうは思えないが、何か自分の知らないどんでん返しのネタがどこかにあるのかも?と思っていた) しかしよく考えると、2009年の政権交代の頃にはそもそも政党支持率の時点で与野党は拮抗していたのに対し、昨今の野党の支持率は一桁台を出たことがありませんね。野党が政権交代を目指すならまずはその時点で、「狭いコア層」の外側の「広い支持」を集めていく地道なナニカが必要なのではないでしょうか。 私は「政権交代可能な野党」が常に控えていることが民主主義として望ましいとは長いあいだずっと思っており、そういう意味で野党勢力に期待するところは大だったのですが、なんだか年々と「良くない意味で純粋志向」が高まっていく感じがあって… 「良くない意味の純粋志向」というのは、現与党の政治を非常に純粋主義的に 「絶対悪」 として設定し、それに対して 「絶対善」の自分たち …という対置をしていく姿勢なんですね。 こういう姿勢だと「狭く深い」支持は取れるでしょうがその外側にリーチできないし、そもそもこういう姿勢で本当に「政権交代後の政治」を現実にリードできるのか、どんどん不安になってしまいます。 なにが良くないって、野党の国会議員は「こういう純粋志向の糾弾家ばかりではない」からです。もっと広い視野と現実