コロナ後の経済再開の最善策は日本の製造現場が知っている

今回の記事では、コロナ時代に経済再開するための最善策は、「日本の製造業では当たり前の“ある手法”」を応用することであるという話をします。

同時に、そうやって「自分たちの得意技」を利用してコロナ対策をしていくことで、日本はもう一度、「立場を超えて助け合える社会」へと変化していけるはずだ・・・・という話もします。

前回記事の「ドラゴンボールで理解する、経済再開のために必要なコロナ対策」では、一刻もはやく経済再開し、もう二度と経済と止めずに済むようにする基本的な考え方として、日本の専門家会議が出しているこの図から、


今後

オレンジ色の線(クラスター対策で対処できる線)>新規感染者数の青い線

が成り立つ状態を維持することが大事なのだ、という話をしました。

つまりクラスター対策で処理できる能力の方が新規感染者数よりも大きい状態を維持できる見通しがたてば、経済が再開できるわけですね。

その視点から前回は、

● 私たちが工夫すべきことその1 
・オレンジ色の線をもっと上にあげるにはどうしたらいいか?

→動きの遅い日本政府にクラスター対策能力(接触者追跡能力と検査キャパシティの増強)を働きかけることが大事だ

という話をしました。今回は、


● 私たちが工夫すべきことその2 
・経済的ダメージを最小にしながら青い線を下に下げ続けるにはどうしたらいいか?

の具体策を話します。




1●青い線を最小コストで下げ続けるために私たちにできること


では、「橙色の線を上に上げる」のではなく、「青い線を下に下げる」方法について私たちにできることを考えてみましょう。

「経済を止めてでもハンマーでぶっ叩いて感染者数を下げる」段階から「ダンスwithコロナ」の時代に移行するにあたって一番大事な数字はR(再生算数)です。

Rというのは一人の感染者が平均的に何人に感染させる状況にあるか?という指標で、単純に言うと「一人の感染者から芋づる式に増えていくならR>1だし、そこから減っていって収束するならR<1」です。

ドイツのメルケル首相が経済再開にあたってこの「R<1」がいかに大事か(1.1程度でも1より上ならかなり短期間ですぐにまた危機的状況になる)・・・という話をしていましたが、「ダンスwithコロナ」がちゃんと続けられてもう一回「ハンマー」しないで済むには、どうやってこのR<1を最小のコストで実現し続けられるか・・・が大事になってくるわけですね。

今完全に「シャットアウト」できたように見える国(中華文明圏や韓国、ニュージーランドなど)も、結局油断するとすぐに再発して大騒ぎになっていますし、そもそも永久に鎖国し続けることもできないので、結局は似たような状況に遅かれ早かれなります。

つまりここからは、

「できるだけ最小の社会的・経済的コストで、R<1を維持するゲーム」

をどの国も共通してプレイすることになるんですよ。

私は、こういう分野は本来非常に「日本の強み」を活かしやすい分野だと感じています。

そのために必要なのは、「インテリ世界とマイルドヤンキー世界のコラボレーション」を徹底的に活用していくことです。

日本において、いまだに世界一といって差し支えない数少ない分野に製造業の現場のブラッシュアップ文化があると思いますが、最近公開されたやたら写真撮られた私のウェブインタビューで述べたように、製造業って単にロボットみたいに言われたことをこなすだけの仕事じゃなくて、これはこれで非常にクリエイティブな知的作用が現場の隅々まで必要な分野なんですよね。

テスラモータースのイーロン・マスクが、「自社工場において製造は全部自動化しようと思ってたけどやっぱり人の手を使うべき部分はまだまだ沢山あると気づいた。人間は過小評価されていた」・・・と語っていて話題になっていましたが、それは単に現在の「製造機械」には苦手なタイプの作業があるから手作業が必要だって話じゃないんですね。

日進月歩の製造技術を、この工程にはこのタイミングで採用すべき、とか、まだこの工程は古いタイプのやり方を維持すべきとか、そういう細部の意図決定を「現場に近い人」の工夫を大量に乗せていくことによってブラッシュアップし続ける必要があるわけです。

アメリカみたいに、アカデミックに物凄く勉強できる人だけの工夫しか吸い上げらない社会の仕組みだと実現できないことがあるわけですね。

そのためには、「インテリ世界とマイルドヤンキー世界のコラボレーション」が大事で、日本が未だに維持している強みの源泉がここにあります。


2●世界一の日本の製造業の考え方を「新しい生活様式」に応用する

読者のあなたに覚えて帰ってほしい日本の製造業の標語が2つあって、それが

・品質は工程で作り込む
・気遣い作業をゼロにする

です。

たとえば、ある製造ラインで100回に1個不良品が出る(実際の製造工程でこんな比率だったら大問題ですがとりあえずたとえ話として聞いてください)とする。欧米人はそれを「統計的」にとらえて、まあそれぐらいの「確率」で問題は起きるだろう・・・と考える。

しかし日本は禅の精神というか、「美しい花がある、花の美しさという様なものはない」の国なので、「その99回の作業と、1回の作業では、全く違った現象が起きているはずだ」と考えます。

だからその「1回の真実の瞬間」がなぜ起きるのかを検証し、その「真因」を潰す・・ということをやるんですね。

そこで、ビジネスパーソンはみんな知ってる「なぜ?と五回問う」プロセスが始まります。

たとえば、配線の組み合わせをミスしたり、あるいはちゃんと「完全にハメる」ところまで行かなかった不良があったとする。

その時に、「そりゃ1%の確率でそういうこともあるよね」的に「検査ではじけばいい」で終わらせるのではなくて、たとえば

・「そもそも間違った場所にはハマらない設計にする」
・「完全にハマりきってないとすぐに外れてしまう設計にする」

・・・といった対策が取られます。

そうすることで、その「100回に1回のミスが起きる”真実の瞬間”」がそもそも起きないような「工程」に作り込むんですね。

そうすれば「気遣い作業」をしなくてもよいようになります。

「ちゃんと正しいところに完全にハメられてるかな?」と「気遣い」する必要がなく、意識をそこに向けなくても不良が発生しないように「設計」段階で考えておくわけですね。

こういうのは、単に「アカデミックなインテリ」だけじゃなくて、「マイルドヤンキー的現場人材」との間の密な相互作用が必要であり、欧米みたいに前者をエンパワーしすぎて後者が本当に無力感の渦に叩き込まれている社会にはできない可能性が眠っているわけです。

R<1を最小のコストで実現する

ためには、こういう「学問的知性と現場的人材の連動」を実現し、どんどん細部まで「新しい生活様式」をブラッシュアップしていく作業が必要になるでしょう。

・・・というのも、ウィルスが伝播する時というのは明らかにそういう「真実の瞬間」があるからです。

たまたま隣にいても喋ることもなく飛沫感染対策も接触感染対策もしておけば感染ったりしません。

感染したとすれば、「一緒にいた」ことが原因ではなくて、「伝染る瞬間」に「伝染る行動」をしたことが原因だということになります。

経済を止めて「感染者数をハンマーでぶっ叩いて減らす」段階には出来るだけリスクを避けて「そもそも会わない・外出しない」対策をする必要がありましたが、それだと人々の生活が不自由になりますし経済も止まってしまいます。

大事なのは「そもそも会わない・外出しない」的にザツに一緒くたな対処をするのではなく、

「会う必要があるなら会ってもいい」「外出する必要があるなら外出してもいい」

けれども、

「ウィルスが伝播する真実の瞬間」だけを選び取って、「それがそもそも起きづらくするクセ付け(行動変容)」を出来るだけローコストな形で工夫していくこと

です。

これって大変なことのようですが、真夏に物凄い高温多湿になる気候で生きてきた日本人が毎日風呂入るとかご飯の前に手洗いするとか玄関で靴を脱ぐとかいう「習慣」を発達させてきたプロセスそのものだと考えたら、そんな大変なことじゃないはずです。

それに、日本は数少ない「スーパーで売ってる生卵をそのまま食べられる国」らしいですが、そうやって日常に溶け込んで「気遣い作業」が不要になっているシステムのブラッシュアップを、つまり「日本人のいつものやり方」をやるだけだ・・・といえるでしょう。

そのためには、日進月歩で進歩するこのウィルスに対する「学問知」と、「現場レベルの人々の知恵」を常に徹底的に相互作用して「新しい生活様式」を磨き上げていくことが必要になります。

日本の専門家会議の人たちは、「自分たちが提示した”新しい生活様式”は単なる例であって、日本中の知恵を集めてもっと磨き上げていってほしい」というメッセージを折に触れて出しています。

彼らを孤立無援にしてしまうことなく、「元気玉」的サポートを、「日本の賢い現場」レベルから「学問知」の世界へちゃんと返していってあげましょう。


3●ウィルスに対する学問知と、現場的人材との相互作用を!

たとえば、最近NHKのダイアモンドプリンセス号での感染拡大の検証番組で、ウィルスに見立てた蛍光塗料を使って、ビュッフェ形式の食事会でウィルスがどう広まるかを検証していました。


このように↑、明るい時には見えない蛍光塗料をウィルスに見立てて、どのように広がっていくかを検証したんですね。

これ、何の工夫もしないでいると30分程度で参加者全員の手と多くの人の顔にウィルス(蛍光塗料)がつきましたが、

一方で、感染対策として店員が料理を取り分けてトングも頻繁に交換し、客に、こまめに手を清潔にするよう促すと、塗料が付着した手の面積は30分の1に減り、顔に付着した人はいなかったということです。

・・・ということらしいです。

つまり、「ビュッフェ形式は危ない」と一緒くたにするとありとあらゆることを停止しなくちゃいけなくなりますが、「100回の中から1回の真実の瞬間を選び出して現地現物で検証する」ようにしていけば、R<1を実現するためのコストはバンバン下がってくるはずなわけです。

他にも、これは中国の研究ですが、飲食店における感染例で、エアコンの位置や席の配置でどういう人が感染したか、どういう人が感染していないか・・・を深く調べています。






こんな感じで、席の配置とエアコンの風の向きと、感染者の分布がめっちゃ詳細に出ている。

こういう「アカデミック」な世界における知見はこれからも沢山出てくるでしょうが、それが単に学問的専門家の間だけで滞留し、そこから突然物凄くわかりづらいPDF資料として「新しい生活様式」として大本営発表されるだけだと、実際には物凄く「大量に無駄なコスト」が発生するわけですよ。

「学問知」レベルの大雑把さで物事を見て、リスクがあるものを全部排除しようとしてしまうと社会的経済的コストが膨大になりますが、それを「現場知レベル」でさらに磨き込むことで、「真実の瞬間」を選び出してそれが起きづらくするローコストの工夫を無数に積んでいくことが大事なんですよね。

通勤電車だってパチンコだって、ちゃんと換気して接触感染に気をつけてマスクして距離をとってりゃリスクは低いはずです。

先日、みんな黙々と台に向かっていてお互い話しもしないパチンコでは感染リスクは低く、クラスター発生のエビデンスもないのに社会的攻撃対象にしてしまったことを日本医師会が謝罪していました。

自律的に経済回せるところは回してもらうことで、本当に直撃的なダメージを受ける業界をサポートできる余力も高まる。

リモートワークできる会社はそうすればいいけど、そういう会社が通勤を抑制してくれれば通勤が必要な会社が通勤する余地は生まれる。

昔、エイズについて、「エイズはキスでは伝染りません!」という啓発ムーブメントがあったかと思いますが、とにかく警戒されて色んな差別や偏見があった時代から、徐々にそうやって「真実の瞬間を選り分ける」作業が進んでいったわけですよね。

今は過剰にバッファーを取って「一切感染させないようにそもそも通勤しない、そもそも経済を回さない」になってしまっているものを、「真実の瞬間」を選り分けていくことで、「こういう工夫をすればリスクはかなり減らせる」という「品質を工程で作り込む」作業を積んでいくことが大事なんですね。

そうやって日本が誇る「インテリと現場人材の相互作用」の中で「新しい生活様式」をブラッシュアップしていけば、「R<1を実現するコスト」はどんどん下げていけるでしょう。

ここまで書いた話は、「日本のビジネスパーソン」なら、そんなに新奇なこと言ってないですよね?

普通に考える話だし、専門家委員会が孤立無援になってしまった中で強引に一律に経済を止めてしまったことを批判する中で、こういう方向性で考えるべきだ・・・というビジネス系の人の意見を沢山みました。

他国と比べて「ゆるい」対策だった日本が欧米とは比較にならないレベルの感染に抑え込めているのも、都市まるごとロックダウンしたりするのではなく、「三密」といった「真実の瞬間」を選び取ってその可能性を減らすという「現地現物レベルでポイントを絞った」対策が功を奏していた可能性は高いと私は考えています。

今後、専門家会議と、日本の「仕事の優秀さ」を支える各種業界団体みたいな人たちが横断的に連携して、この「新しい生活様式」の徹底的なブラッシュアップを行っていけば、「R<1を最小コストで実現するモデル」を、他国が唖然とするレベルまで徹底的に磨き上げていくこともできるでしょう。


4●日本の携帯アプリゲームの運営さんとプレイヤーのイメージで


読者のあなたがいわゆるビジネスパーソン(特に製造業寄り)的な経歴の人でなかったら、あまりこういう「インテリとマイルドヤンキーの相互作用」のイメージがわかないかもしれませんが、そういう人は日本の携帯アプリゲームの運営さんとプレイヤーの関係を考えてみるといいです。

運営さんが何か新しい要素とか環境変化を公開すると、まずインテリのプレイヤーがかなり細部までそのダメージ計算式やら何やらを解析して公開したりしますよね?

で、それがブログや動画メディアでだんだん伝えられていって、最終的には文字とか読まない、動画しか見ない層まで伝わる。そしたら、

「なんかわかんねーけど、この数字ができるだけ下がるようにコレ使って工夫すりゃいいんだろ?わかったよ、やるぜ!」

みたいな感じで、パチプロ風の集中力とガッツのある「現場の人」がラストワンマイルの色んな工夫を載せてくれる。

欧米社会では「インテリ層」とこの「マイルドヤンキー層」との分離が果てしないことになって、ブレグジットや欧州極右政党やトランプVS反トランプ問題みたいになってしまっています。

日本の製造業の現場にはまだまだこういう文化が残っているので、私のあるクライアント企業のように大卒が2割ぐらいしかいない地方の会社でも、グローバルサプライチェーンの中でちゃんと優位性を確保し続けることができている。

経済の主戦場が「重さのない」ITから「重さのある世界」との相互作用が必要になってきている現代においては、こういう文化は経営的に重要な要素にこれからどんどんなっていきます。

そしてもちろん、トランプvs反トランプ的な欧米文明の根本的な課題を乗り越える希望の源泉にすらなりえます。

今、日本では「自粛警察」的にメチャなことをやる人たちが問題になっていますが、それは「専門知・学問知」のがわの人間が「日本人の現場」を信頼せず、非常にザツで大雑把な指示しかできてないから結果として起きていることだと考えてみましょう。

そこで「民度が低い、野蛮だ」と上から目線で断罪する発想は無意識の欧米文化中心主義的レイシズムだと私は考えます。

もっと「日本の現場」を信頼し、欧米みたいに「学問知だけに全知全能の権限が与えられている国」にはできない方法で解決しましょう。

R<1を実現する「新しい生活様式」を、出来る限り「気遣い作業」がいらないレベルまで作り込んでいくプロセスは、既に日本中で開始されています。

「お上」がある程度の方針しか示さなくても、「巣に属する個体全体で本能的な集合知を発揮するアリの集合体」のように構成員全体が知恵を出し合って現地現物レベルで磨き上げていくのは私たち日本人の「美点」と言って良いでしょう。

おそらく「経済再開」になると、まずは「ある程度は対策しつつもとりあえずやってみる」ことが必要な段階が来ます。普通の飲食店とかイベンターとかいうレベルで、完全な防護策を最初から考えるのは難しいでしょうしね。

そしてチラホラとまた感染者は出てくるでしょうが、それが「オレンジの線より下」(クラスター対策能力以下)であるなら、まあ多少そういうことあってもOKだよね、という安心感を自分たちで持てるようになるはずです。

そして感染者が出るごとにそれを探知し、迅速に芋づる式の検査をして抑え込むと同時に、「どういう行動がリスクだったのか・どういう工夫をすればその“真実の瞬間”を最小コストで避けることができるか」を国民全員で深くリアルに知っていくことが大事です。

そうすれば今は「一律に全部ダメ」になっている行動のうち、「どの瞬間のどの行動」だけをやめさえすれば良かったのか…を徹底的によりわけて把握していくことが可能になります。

同時に、いろいろな業種ごとに「密」を出来るだけ避けつつもコスト構造を見直してなんとか黒字にするテクニックも、業界横断的な「勉強会」的なものを通じて徐々に開発されてゆくでしょう。

製造現場ではいまだ世界一レベルで私たちができていることなんですから、コロナ対策でもできますよ。

余談ですが、あなたが「ヤンキー層を敵視するタイプのインテリ側の日本人」だとしても、もしこういう連動関係をうまく動かせるようになれば、日本が学問分野にかけるお金だってバンバン増やせる情勢になりますよ。「科研費」を倍増させる程度のことは日本政府の予算の全体的規模感からすれば大きなことではなく、問題は「専門知と現場知のインタラクション」をちゃんとうまくフィーチャーできてないから、「現場知を崩壊させて欧米におけるトランプvs反トランプ的な社会の分断を起こさせないために、専門知を抑制さざるを得なくなっている」わけです。

つまり過去20年ほど、この「両者の連携」がうまく行っていなかったために日本においては自分たちの強みを崩壊から守るために「専門知」への締め付けもせざるを得なかったし、ある程度閉鎖的な空気で強権的な政権を維持しておく必要もあったが、今後はその連携を回復していくことで、専門知への真っ当な敬意とお金の手当も社会的合意が取れるように動かしていけるはずだということです。

連載の次回では、今回の記事で扱った「インテリとマイルドヤンキーの相互作用」という話をさらに深堀りして、なぜ日本では「専門知をもっと活用すべき」と主張するだけでは物事が進まないのか?トランプVS反トランプといった欧米社会の悪癖に陥らず、それを超える希望を生み出していくためには、日本はどうやって「専門知」を取り入れる体制を作っていけばいいのか?について書きます。


5●「助け合える国」日本へ!

「コロナ時代を乗りこなす」ことは、欧米社会では途絶してしまった「学問知と現場知のコラボレーション」が常に必要とされ、立場を超えて協力しあう必要性を日本社会に「常に思い出させ続けてくれる」体験となるでしょう。

結果として、今まで果てしなくバラバラに分解して自分個人のことだけを考えるようになっていっていた状況を常に反省させられ続ける「矯正ギブス」のようなメカニズムを内包することになります。

つまり、コロナ対策をきっかけに、「助け合える国・日本」へ脱却することが、私たちにはできるはずです。

最初は「余計な配慮をしなくちゃいけなくて面倒臭い」だったものが、「みんなで協力してコロナを乗りこなすのって楽しくない?」に変えていきたいものです。

トヨタの豊田章男社長が、最近の決算会見で、なかなか感動的なスピーチをしていました。

これまで日本がマザー工場となってトヨタのグローバル生産を支えてまいりました。国内生産体制はグローバルトヨタの基盤であるとも言えます。しかしこれは成り行きであるものでも、当たり前にあるものでもありません。超円高をはじめ、これまでどんなに経営環境が厳しくなっても、日本にはものづくりが必要でありグローバル生産を牽引するために競争力を磨く現場が必要だ、という信念のもと、まさに石にかじりついて守り抜いてきたものでございます。 
トヨタだけを守れば良いのではなく、そこに連なる膨大なサプライチェーンとそこで働く人たちの雇用を守り、自動車産業の要素技術とそれを支える技能を持った人材を守り抜くことでもあったと考えております。(中略) 
雇用を犠牲にして、国内でのモノづくりを犠牲にして、いろいろなことをやめることによって、個社の業績を回復させる。それが批判されるのではなく、むしろ評価されることが往々にしてあるような気がしてなりません。
それは違うと、私は思います。
企業規模の大小に関係なく、どんなに苦しい時でも、いや、苦しい時こそ、歯を食いしばって、技術と技能を有した人財を守り抜いてきた企業が日本にはたくさんあります。 
そういう企業を応援できる社会が、今こそ、必要だと思います。

色々と大変なことが続きますが、自分たちの根源的なオリジナリティに目覚めることで、欧米文明の独善性が黄昏を迎える人類社会の行き止まりに対し新しい希望を提示していきましょう。

そうすれば、個々人が果てしなく自分のことだけを考えるように仕向けられていた過去20年間に決別し、コロナ禍を通じて「助け合える国・日本」へ脱皮できるはずです。

私たちならできますよ。



それでは、また次回の記事でお会いしましょう。連載は不定期なので、更新情報は私のツイッターをフォローいただければと思います。

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倉本圭造
経済思想家・経営コンサルタント
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