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Netflix版「新聞記者」は不誠実な「左翼の内輪ウケ映画」でしかない事が「モリカケの実態」を知ればわかる。

東京新聞の望月衣塑子記者をモデルにした映画を動画配信サービスNetflixがリメイクした連続ドラマ、『新聞記者』が好評を得ているようです。公開後、Netflixの視聴ランキングでもずっとだいたい1位から3位程度に食い込んでいるのを見かけます。 一方で このドラマに対していわゆる「文春砲」が一昨日炸裂し、制作にあたってのプロデューサー氏や望月氏の姿勢に疑問が呈されている ようです。 あっさりした記述で終わっているウェブ記事版でなく文春本誌を読むと、自殺した官僚赤木氏の遺族から、「これでは森友学園の塚本幼稚園とやっていることが同じではないか」と怒りを感じたと告発されており、読んでいてちょっと胸が痛くなる感じではありました。 ただ、こういう事実と近いドキュメンタリー風の映画やドラマを撮る時に、実際の関係者との関係がこじれてしまうことは良くあることで、(文春記事細部の「ちょっとそれは遺族からすれば・・・」という点はともかく)、「決裂してしまうこと」自体はどうしようもないことであると考えざるを得ない時もあるかと私個人は思います。 重要なのは「決裂してしまっても、それでも世に問う価値がこのプロジェクトにはあるのだ」と製作者陣が本当に胸を張れるものになっているのか 、という点ではないかと。 一時はわかってもらえないかもしれないし、傷つけてしまう事もあるかもしれないが、それでも今これをつくる社会的な意義があるし、それは長期的にはちゃんとわかってもらえるはずだという意志を持って作品を作る・・・というのなら、それはそれで否定できないと思う。 しかし!です。 ここ以降に載せる記事は、「文春砲」が 出る前に ファインダーズというウェブメディアに出した記事なのですが、その 「文春砲の内容」的なものを抜きにしても、本当にこのドラマは「誠実さ」があるものになっているのかどうか、私としては疑問を感じているという内容 です。 遺族と決裂してしまったことだけで「絶対悪」とは言いたくないが、 本当にこのドラマは「この問題を解決しよう」という誠実さによって作られているのか?それとも単に「自分たちの正義」に引きこもる「センセーショナリズムという現代社会の”もうひとつの権力”の横暴」にすぎないものなのか? そこのところについて、製作者やこのドラマの熱心な支持者の方は一度考えてみられるといいと思います。 以下の

優柔不断でグダグダに見える岸田政権の支持率はなぜ上がるのか。そこに日本が向き合うべき課題がある。

岸田政権が成立した時、私は「90年代末期の小渕恵三政権のように、最初は酷評されつつ後々支持率が上がってくるのではないか」と予想を述べていましたが、徐々にそういう情勢になりつつあるようです。 基本的に内閣支持率は発足直後が一番高いことが多い中で、開始三ヶ月でむしろ上昇傾向にあるのは非常に珍しいことらしい。 この日経記事によるとこの四半世紀で三例め だとか。 読者のあなたは岸田政権のことをどう思っていますか? SNSを見ていると、岸田政権を酷評する声も結構聞きます。「優柔不断で政策がブレまくっている」という批判も多い。 政権発足後の3カ月だけを取ってみても、 ・文通費問題(今国会で法改正見送り) ・10万円クーポン問題(自治体が希望すれば100%現金も可能に) ・海外居住者がいきなり国際線予約を停止され帰国できなくなった問題(撤回) ・オミクロン株陽性者の濃厚接触者は大学入学共通テストが受験できず(追試の機会を用意) ・北京五輪の外交的ボイコットを事実上実行するが、明言はせず(財界は評価するも保守層は反発)  といったグダグダ事例があり、右からも左からも集中砲火を浴びている。 特に以下の「3つの強硬派」からは相当嫌われているのを見かけます。 1:市場主義的に強引な改革を求めるネオリベ型の人 2:中国にもっと強い態度を取ってほしいという最右派層 3:あくまで政権を声高に批判することに意義を感じており、朝令暮改の連続に「ナアナアに抱き込まれている感」があって嫌がる(コロナ対策の鎖国政策がやりすぎだと感じるなども)左派層 しかしなぜか支持率は上昇している。 私は逆説的ながら、<b>そういう「3つの強硬派」から距離をおいて柔軟な態度を取っていく姿勢自体が、政権の支持率を押し上げているのだ</b>と考えています。</p><p> それどころか、私はこの「岸田政権のグダグダさ」をうまく活用して伸ばしていくことこそが、これからの日本の舵取りにとって非常に重要なことだと考えているんですね。 というのも、過去20年ぐらいの日本は、そもそも対立する必要もないようなところで大声で対立しあっていて、ちょっと「改革」的なことをしてはそれに押し切られた人の恨みが募ってタタリ神のように反撃されてさらにグダグダになる・・・ようなことばかり繰り返してきたから

どんどん日本は「決して政権交代できない国」になりつつあるが、それはそれでいいのかもしれない

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1●日本の野党は「絶対政権交代などしない野党」になりつつあるのかもしれない? 立民の枝野代表が選挙前に「野党共闘によって、全盛期のイチローの打率ぐらい(3割台後半)は政権交代の可能性がある」と言ったりする期待の中行われた総選挙ですが、結果として ・自民党は単独過半数・自公で絶対安定多数を確保 ・立民&共産は公示前議席数割れ ・むしろ伸びたのは維新で、公明を超える第三党に躍進 ・国民民主党もなかなかの健闘を見せた …という結果に終わりました。  正直言ってこの結果を見て私は結構「ほっとした」ところがあります。 私は日本の選挙制度の細部に全然詳しくないので、選挙前にツイッターでよく見かけた 「自民党が勝っているように見えるのは選挙制度のバグであり、野党が統一候補を立てて戦って、あとは”ちょっとした風”さえ吹けば政権交代だってありえるのだ!」 …というような勇ましい意見を頭ごなしに否定できる材料がなくて「え?そうなの?本当かなあ?」と思っていたんですよね。(一応一般的な範囲での選挙制度とか現状の支持率とかを見るとそうは思えないが、何か自分の知らないどんでん返しのネタがどこかにあるのかも?と思っていた) しかしよく考えると、2009年の政権交代の頃にはそもそも政党支持率の時点で与野党は拮抗していたのに対し、昨今の野党の支持率は一桁台を出たことがありませんね。野党が政権交代を目指すならまずはその時点で、「狭いコア層」の外側の「広い支持」を集めていく地道なナニカが必要なのではないでしょうか。 私は「政権交代可能な野党」が常に控えていることが民主主義として望ましいとは長いあいだずっと思っており、そういう意味で野党勢力に期待するところは大だったのですが、なんだか年々と「良くない意味で純粋志向」が高まっていく感じがあって… 「良くない意味の純粋志向」というのは、現与党の政治を非常に純粋主義的に 「絶対悪」 として設定し、それに対して 「絶対善」の自分たち …という対置をしていく姿勢なんですね。 こういう姿勢だと「狭く深い」支持は取れるでしょうがその外側にリーチできないし、そもそもこういう姿勢で本当に「政権交代後の政治」を現実にリードできるのか、どんどん不安になってしまいます。 なにが良くないって、野党の国会議員は「こういう純粋志向の糾弾家ばかりではない」からです。もっと広い視野と現実

高市氏の支持者が「不平士族化」して「西南戦争」にならないようにしてほしい

1●高市早苗政調会長案は「冷や飯人事」か? 「岸田内閣」人事が次々と発表になっています。 なかでも「高市早苗政調会長案」 について、高市氏の支持者の間で激論が起きているのを見ました。 これは「高市氏」を有名無実な職に固定して冷や飯を食わせる案だ・・・という人もいれば、むしろ「具体的な政策を積み重ねるのが得意な高市氏にとって適材適所な案ではないか」という人もいる。 私は結構「良い案」というか、高市さんの持ち味を活かせる案ではないかと考えています。 確かに高市さんは既に2012年に女性初でこの役職についており、支持者からすれば 「またぁ?もっと派手な役職にならないの?」 という気持ちはわかる。 「高市支持派」からすれば外務大臣や財務大臣といった派手な役割について、「中国や財務省」といった「敵」を「華麗にやっつける」役割を期待しているところがあったのだと思います。 しかし、私が個人的に「高市氏政調会長案」に賛成なのは、外務大臣とか財務大臣とか、ましてや官房長官などよりも、 「遊軍的に好きにやれる役職」であり、高市さんの持ち味を活かしやすい と思うからです。 外務大臣にしろ財務大臣にしろ、その分野における個別的な問題を積み重ねた組織の事情があるし、そして「政権」の意向というものもあるために、高市さんが個人でそこにスポッとハマったからといってやれることは限られています。 それと同時に、 子育て政策から軍事外交、財政にいたるまで縦横無尽に細部まで持論を持っている高市さんの能力を、「一つの部門のミクロな課題」だけに縛り付けてしまうことはもったいない と感じます。 そして、 「過去に既にやったし、その時にできたことは限定的だった」からといって、「今の高市さん」がそれをやることの意味はまた別にあるはず なんですね。 政調会長のような「遊軍的」なポジションは、それを担う人によって全然違う意味を持ち得る役職なはずなんですよ。 毒にも薬にもならない人を名誉職的につけておいても、まあ普通に仕事がまわるという感じではある。実際、スガ政権の政調会長って誰だっけ?ってなっても名前が出せない人が多いと思います。 一方で、今回の総裁選を経て人々の期待を吸い込んだ「今の」高市さんのような人が政調会長につけば、その立場を利用していろいろなことができる・・・という構造でもあるはずなんですよね。 外務大臣や財

「岸田総理(宏池会エリート主義)」と「河野家的ヤクザ主義」の因縁の戦いは、日本国の方向を決める大きな分水嶺

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自民党総裁選の結果、予想を大きく裏切る「決選投票前の段階で岸田氏が一位」の勢いのまま、「岸田文雄総理」が誕生することになりました。 私は 8月31日に書いた記事 で、 もし岸田首相になったらその「変化」は、もしダークホースとして高市早苗さんが当選して初の女性首相が誕生するよりも、もっと大きな「変化」になるんじゃないか・・・と感じています。 …と書いていました。 とはいえこれは単にグダグダの頼りない何も決められない国になる危険性と隣合わせでもあるため、岸田総理になりゃそれでいいという話ではないわけですね。 単純に言えば、河野氏になるか、高市氏になるか、どちらにしても 「わかりやすい」情勢 ではあったわけです。 岸田氏になったらそういう「わかりやすい斬り方」はできなくなります。グダグダの何も決められない政治になる危険性だってある。 しかし、そういう道を通ってでも、今の日本は、 平成時代の「抵抗勢力をぶっ壊せ!と叫ぶ」型の改革中毒を脱却していくべき時 だと私は考えているわけですね。 とはいえ、「平成時代の改革中毒」を脱却していくとして、その先の「新しいコンセンサスの方向性」には色々ありえるわけですが、その中でも「岸田派(宏池会)」が主導になることの意味と、その背後にある「河野家との因縁」について書きます。 実は岸田派(宏池会)の源流にあるとされる吉田茂氏と、河野太郎氏の祖父河野一郎氏はとにかくムチャクチャ仲が悪く、 その仲の悪さは、河野一郎氏の家が極右活動家に放火された時に、吉田茂は大喜びをしていたという話が残っているレベル らしいんですね。 その両者の志向は、単なる派閥争いというよりも、それぞれの「日本の歴史の中で象徴的に常に争ってきた2つのキャラクター」同士の争いと言ってもいい様子なので、そこを深堀りすることで 「河野でなく岸田を選ぶことの歴史的意義」について考察する記事 です。 ・ 1●岸田派(宏池会)は「お公家集団」と呼ばれたグループ 私は経営コンサル業のかたわら色んな個人と「文通」を通じて人生について考えるという仕事もしており (興味のある方はこちら) 、まあ普段はあまり政治的な話はしませんが、強いて言えばクライアントには「保守」の人も「左翼」の人もいます。 その中で「保守派」の人で、自民党の内部事情とかに詳しい人に「宏池会」ってどういう人たちなの?と聞いたとこ

河野太郎氏的な「抵抗勢力をぶっ壊せ」型の改革をそろそろ日本は卒業するべき

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今月29日に迫った自民党総裁選は一応まだ河野氏が支持率一位となっているようですが、個人的には今回は高市氏か、せめて岸田氏になってほしいと思っています。 そうすることで、 「抵抗勢力をぶっ壊せ」型の平成時代の改革中毒 のようなものを乗り越えるべきタイミングだと感じているんですね。 むしろ「あと一歩の双方向性」を持って物事を動かしていくタイミングだと感じているからです。 今回はその事について書きます。 ・ 1●「あのしょうもない店が全部潰れたら日本経済は良くなりますよハッハッハ」と外資コンサルの上司は言った。 これはもう20年近く前の事なんですが、私は新卒で入った外資コンサルティング会社で、日本政府の外郭団体が主体の日本経済の国際比較プロジェクトのようなもので、ある役員がニコヤカに 「あのしょうもない店が全部潰れたら日本経済は良くなりますよハッハッハ」 みたいなことを物凄くニコヤカに言っていて凄い衝撃的だったんですよね。 これは、「普段からそういうことを言いそうな人」が言ってたらそれほど衝撃的じゃないんですが、その人がもう物凄く普段はあらゆる意味で「感じの良い振る舞い」をする人だったので、その「ギャップ」が物凄い衝撃だった。 彼は決してセクハラやパワハラ的なことはしないし、人種差別的な事も言わないだろうし、いわゆる「政治的正しさ」的なコードは完璧過ぎるほど身につけているでしょう。 しかし、その背後にある「物凄い冷酷さ」みたいなものが完璧にニコヤカな笑顔と同時に存在しているのを見るのは、当時の私には非常に衝撃的なことでした。 「アメリカの事例」って「見た感じ完璧に素敵」で、それに対する日本のカウンターパートは「いかにも土着的でスマートでない」ので、全部アメリカの事例に合わせちゃえばいいのに!って思っちゃうんですけどね。 でもその 「アメリカの見た感じのスマートさ」は、「大量の”普通の人”を切り捨てることで成立している」という部分を自覚しておかないと、日本はそれに合わせようとしても結局合わせきれないんですよ ね。 「アメリカという劇薬」の「副作用」の部分もちゃんと考えて取り入れる必要があるのに、過去30年の日本はその「劇薬」を無理やり日本社会に飲み込ませようとして、 「副作用の心配が…」 vs 「いや痛みに耐えてこそ成長があるんだ、とにかく飲みなさい!」 的な押し合いへし合

いよいよ高市さんの怒涛の追い上げが具体的な数字にも現れてきた。(自民党総裁選)

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一週間前ぐらいまで 私(経営コンサルタント兼経済思想家 倉本圭造) は、自民党総裁選は「河野vs岸田」で決まりだろうと頭から決めてかかっていて、 連載を持っているウェブメディアでもそういう記事を準備していたのですが、全然期待せずに見た9月7日の高市氏の出馬会見に物凄く衝撃を受けて、 「これは女性総理誕生は十分にありえるな」 と思い、にわかに「高市推し」の記事をいくつか書いてきました。 そのどれもが、このブロゴスにおいて非常に広く読まれており↓、ネット環境における注目度は非常に高いことがわかります。(未読でしたらぜひ以下の記事もどうぞ) 1本目 (女性初)高市早苗総理誕生が十分ありえると考えられる3つの「スゴイ能力 2本目 高市早苗氏は「極右のアイドル」にすぎないと思っていたが、出ている右翼系動画をいくつか見たら考えが変わった話。 3本目 「アメリカ型ビジネスエリート」が強引にすべてをリードする時代の終焉が、高市氏待望の空気に繋がっている 「出馬会見」までの高市氏は「極右」イメージが染み付いていて、私もそういうヤバい人だと思っていたんですが、実際に会見を見ると非常にオープンに違う立場の人とも対話するスキルのある人で、一部のフェミニストや左翼アカウントまで 「こいつは敵だがコミュニケーションスキルは認めざるを得ない。端的に言って舐めてかかるとヤバい」 みたいな事を言っているツイートが多くシェアされていたのが印象的でした。 とはいえ、これらの記事を書き始めた一週間前には、「高市を推すなんて頭オカシイヤツ」「絶対にありえない候補を推す状況が見えていないアホ」みたいな扱いをされることが多かったです。 また、私は経営コンサル業のかたわら『文通』をしながら個人の人生について考える仕事もしていて (興味ある人はこちら) 、そのクライアントにいる「保守系ユーチューブチャンネルの、元・熱心な視聴者(一部のチャンネルのコロナ禍に対する非理性的な配信方針で熱が急に冷めたそうです)の女性」にすら、 ええー!あのチャンネルに出てくる人たちの仲間ですよ?それを推したりしていいんですか? …みたいな散々な言われようでした。(保守系チャンネルの関係者の皆さんスイマセン。科学的にヤバいチャンネルばかりじゃないことは今は知っています) しかし!ですよ。 会見からさらに一週間たってみて、 古風な言い方です