「富裕層でなく中間層がこの国を作った」バイデン演説は歴史の転換点となるか?
アメリカ、バイデン大統領の施政方針演説 ウォール街ではなく、中間層がこの国を作ったのだ は、なかなか世界的にも好意的に受け止められているように思います。 富裕層をもっと豊かにすればその恩恵は「滴り落ちる」ように広い範囲に行き渡るという発想=”トリクルダウン”は決して起きなかった。下から、中間層からの経済発展を模索するべき時だ ・・・などと、「現役アメリカ大統領がツイート」するというのはほとんど”歴史の転換点”と言ってもいいぐらいの現象だと感じます。 その具体策としては、日経のこの記事がよくまとめてくれています が、 法人税率アップと、富裕層への個人所得税率およびキャピタルゲイン課税税率アップ、富裕層や企業への税務調査の徹底・・・などで「豊かな層」から取ることで4兆ドルもの税収増を実現し、その財源を元に、主に中間層の子育て世代の支援や、巨額のインフラ投資などを行っていくようです。 この「富裕層増税プランと中間層重視の政策」は、昨年の選挙前ぐらいからバイデン支持者の中で色々と政策案が語られているのをSNSで散見していたのですが、いわゆる「最も左のサンダース主義」とはある程度距離を起きながら、現実的なラインで「中間層重視」を打ち出すところまでたどり着いたバイデン大統領の手腕はなかなか見事なのではないでしょうか。 選挙前に、「理想の理想的な予測」として囁かれていた、 「議会経験が豊富なバイデンなら、右の過激派(トランプ派)とも左の過激派(サンダース派)とも適切な距離を起きつつ、対中国で必要なレベルの強硬策と、対国内で必要なレベルの格差是正策を実現していくということができるのではないか?」 といった方向性が、ある程度は具体化できてきていると言えるかもしれません。 もちろん、この案がそのまま通せるかどうかは依然不透明な状況ではありますが、とにかく「80年代のレーガン政権時代から続いてきた”個”のみを重視するネオリベ路線」が、大きな転換期を迎えていることは間違いないでしょう。 「どの程度成功するか」は現時点で不透明ながら、今後世界的な「流行」が逆流していく事は十分に予想され、その流行を日本でも取り入れられる未来が来ることはほぼ間違いありません。 今回の記事では、突然出てきたようにも見える「バイデン演説」の背後にある考え方の変化や、歴史的背景、そしてこの流れを日本でも取り入れていく