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なぜナイキのCMを感じ悪いと思う人がいるのかに向き合わないと人種差別問題など解決できない。

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  1●ナイキ社の広告は「案の定」炎上しているが・・・ インターネットで広い認知を得るには「炎上させた者勝ち」みたいなところがありますが、この一週間はナイキ社の動画広告が話題でした。 ナイキ社のこういう「人種差別」問題を前面に押し出したCMシリーズは、アメリカ本国で公開された時も常に賛否両論で、強烈な認知を引き寄せて売上を伸ばしたり、また一方でナイキ社の靴を燃やす写真が大量に投稿されるような不買運動も起きたりしていました。 今回の「日本版」の公開でも、基本的には世界中どこでも同じ「この種類のCMに対する反応」が巻き起こっているようです。 日本でも、案の定、 ・「素晴らしいメッセージ性を持った広告だ!」と感じる層 と、 ・「日本社会に対する侮辱」だと感じる層 と、真っ二つに分かれており、SNS上で「案の定すぎる」論戦が展開されていました。 ・ 2●こういうのは本当に「人種差別解消」に役立っているだろうか? 個人的な感想を言うと、 「こういうのに勇気づけられる・必要としている人たちもいるんだろうし、まあいいんじゃない?」 ぐらいの感想なんですが、SNSで最近よくある、 「コレ系に反発を覚える層を徹底的に嘲笑する仕草」は本当に良くないことだと思っている し、むしろ本音を言えばかなり「嫌い」です。 「コレ系に反発を覚える層を徹底的に嘲笑する仕草」ってどんなのかっていうと、 ナイキのCM素晴らしいわ!これに「怒り」を感じる人達って人間としてどうなの?頭おかしいんじゃないの? こういうのに怒りを感じるような奴らって、時代の変化に取り残されて滅んでいくべき奴らだよね。  お前らがナイキを不買するとかちゃんちゃらおかしいんだよ。そうじゃなくてお前らみたいなクズどもがナイキに”お断り”されてるんだよ! こういうの↑ですね。 もちろん、直球の朝鮮人差別を隠さない人たちも日本には残念ながらいるので、それに対するカウンターとして現状必要なことはわかる。日本社会にももっと改善していかなくちゃいけない課題が沢山あるということもわかっている。 でもだからといって、 「こういうやり方」が問題を解決に導くのでしょうか? 単に 「意識高いフリをして金儲けをしてやろうという、”いかにもナイキ社”的な商業主義」 なのでは?という疑問は強烈にあります。 ・ 3●一周回ってきて、むしろ「このCMに反発を覚える

「トランプが負けたら中国に征服される」とかいうデマに熱中するのは流石に情けなさすぎるんじゃないですかね。

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 投票後数日のすったもんだのあげく、ほぼほぼ次期アメリカ大統領はバイデン氏という情勢になってきたようです。 日本のネット世論では、 「トランプが負けたらもう世界は中国に支配される暗黒時代が来るのだ」みたいなことを真顔で主張する人がたくさんいて、それゆえ米国直輸入の色んな陰謀論がそのまま流布されていたりする状況 なわけですが。 しかし、その態度は非常に「アメリカ頼み」すぎるというか、 必死 に「アメリカの犬」になることでしか自分たちは生きてはいけないのだという世界観 であるように私には感じられます。 「右」の人がそういう卑屈さを深いところで持ちすぎているから、「左」の人は国際情勢のリアリズムのへったくれもないようなやぶれかぶれの反米主義で吹き上がるしかない ・・・という戦後日本75年続いた不毛さの結晶が「トランプが負けたら日本は終わり」説なのではないでしょうか。 そもそも自分の国でもない選挙の結果で日本が「終わった」り「終わらなかったり」するという世界観自体がちょっと情けなさ過ぎませんかね?という事は、まず考えておくべき視点だと思います。 というわけで今回の記事では、今後少なくとも4年間続く「民主党アメリカ」時代に日本はどうやって自分たちの存在を世界情勢の中にねじ込んで主張していけばいいのか・・・という話をします。 その「あるべき方向性」は鬼滅の刃の大ヒットが本能的に教えてくれているかも? 1●イデオロギーを横において情勢を見られるプロの話を聞こう 今回の大統領選挙はアメリカでも過去最高の投票率となったらしく、内戦とか世界大戦とかがあった時代よりも高い関心を彼ら自身も持っていたし、世界中の、そして日本人の関心もかなり高かったですよね。 私は別にアメリカ情勢の専門家ではないので、今どういう状況なのかプロの話を聞きたい・・・と思って色んな人の発言を追っていたのですが、「アメリカ問題の専門家」っぽい人ですら何の根拠もなく 今回はトランプの(バイデンの)圧勝だ! みたいなことを自分のイデオロギーに従って放言する人が多く(これは英語圏の書き手も結構そういう傾向があって日本だけの問題ではなさそう)、いったい誰を信じていいのやら?という感じでした。 ただ、マトモな学者さんとか、あとは「選挙の票読みのプロ」とかの人はイデオロギーに関わらず冷静に情勢を見極めていて、あまりにも「放言」し

左派の過激化する正義感がむしろトランプ大統領再選を可能にする理由

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  今回の記事は、例えば安倍首相が辞任するとなった時に、 「安倍氏が支持されていた理由」を直視してそれを包摂しようとすることなく、安倍氏や安倍氏の支持者をリベラル派が罵倒しまくって溜飲を下げているだけだと、結局さらに孤立無援化して「リベラル的でない」政策が通る世界になってしまうのではないか?という話 をします。 そして後半では、 まさにそれと同じ理由で、アメリカではさすがに今回は米国民主党のバイデン氏の方が勝つだろう・・・と思われていた状況が徐々に逆転しつつある状況にある という話をします。 この記事を通じて伝えたいメッセージは、 リベラルがやるべきことは安倍氏やトランプ氏を罵倒して溜飲を下げることではなく、「リベラルが取りこぼしているもの」をいかに包摂できるか真摯に向き合うこと・・そうしないと選挙に負け続けるぜ! ということです。 はじめに●安倍氏やトランプ氏に関する好悪はなぜここまで両極端になるのか? 過去最長の在任期間となっていた安倍総理が突然辞任することになって、色んな人が色んな事を言っていますよね。 私は経営コンサル業の傍ら 「文通しながら色んな個人の人生に寄り添って色々と考える」仕事をしている のですが、その「文通相手」さんには「政治的」に分類すれば保守系の人もリベラル系の人もいて、 ・昨日電車の中でスマホで安倍さんの辞任会見をLiveで視聴出来て、なんだかしんみりと泣いてしまいました。一夜明けて、今日あたりは「安倍ちゃんロス」な心境ですが、自分でもビックリするぐらいに「悲しんでいるなぁ。」って思います。 と言っている人がいるかと思えば、 ・あの不誠実な国会答弁、災害対策の酷さ、公文書の偽造と破棄、報道の自由度の低下、世界と比較し女性活用が進まない、恣意的な記者会見、人事への介入など後世に残る愚行を犯す総理大臣が辞めてくれて大変ハッピーです。 と言っている人もいて、一応お二人とも僕の本とか読んで面白いと思って関係を持ってくれている人にも関わらず、同じ「安倍晋三氏という人間」についてこうまで評価が分かれるというのもなかなか興味深い現象だなと思いました。(ちなみに「文通」のクライアントの男女比はほぼ半々という感じですが上記の二人は女性です。) この後者の「反安倍派」の文通相手の人が、 「なんで安倍をそんなに支持できる人がいるのかわからない。むしろ教えてほしい

香港民主派・周庭さんの「かわいいは正義」を習近平に思い知らせるべき。

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(画像はウィキペディアからお借りしました。) ちょっとありえないぐらい不謹慎なタイトルですが、最後まで読んでいただけると真意がご理解いただけるかと思います。   10日夜、香港民主派活動家のアイドル的存在であった周庭(アグネス・チョウ)さんが中国当局に逮捕されてしまって、その後世界中の、特に日本のSNSで「周庭氏の逮捕に抗議します」や「FreeAgnes」タグがトレンド入りするなど大きな反応がありました。  その後、私もウェブ連載の編集部から何か書いてくれと言われて、とにかく「逮捕された先で当局から酷い扱いを受けないように皆で中国政府にプレッシャーをかけよう」という記事を書こうと思って準備していたら 思いの外はやく保釈が決まった わけですが・・・とにかくほっとしました。 1●「かわいいは正義」的な特別扱いについてどう考えるべきなのか? 「こんなことは中国じゃ毎日のようにどこかで起きていること」なのに、いちいち周庭さんのときだけ大げさに騒ぐのはオカシイ!! ・・・という批判はある意味正しいと思いますが、かなり声高にそういう批判をしているSNSアカウントですら、思いの外はやい保釈決定に「ほっとした」気持ちを吐露している人は多かったように思います。 かくいう私も、日本語が達者で日本のメディアでしょっちゅう自分の言葉で話していた若い女性が、「中国当局の権力」によって逮捕されるという絵自体に、自分でも意外なぐらい心が乱された気持ちになりました。  私の妻はこういう「政治的」な話にあまり関わらないノンポリタイプなのですが、その妻ですら 「仮面ライダー電王と欅坂46が好きで、嵐のメンバーで一番好きなのは二宮くん」という「自分とあまりに同じ好み」の周庭さんのことは他人事とは思えない気持ちになって心配していました。   保釈された直後のご本人のコメント動画 はSNSに結構あがっていますが、流暢な日本語で 「拘束されているときに、ずっと”不協和音(欅坂46の)”という日本語の歌の歌詞が頭の中で浮かんでいました」 とか言っちゃう若い女性の、 日本国内における世論喚起力 はそれ自体馬鹿にできない物凄いものがあるのではないかという感じがします。 最近中国当局が「米中の綱引きの中で日本政府や日本世論が急激に米国側に傾きつつあるのをかなり気にしている」様子を感じるんですが、今回の周庭さんの迅速な

習近平破れたり!国際的中国包囲網の中で日本にできること。

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●激化する中国包囲網の中で日本が取るべき選択は? 「中国が崩壊するかも?」というのはここ20年ぐらい、特に日本のかなり保守的な言論グループの中から何度も言われてきたことですが、結局実現せずに来ました。 しかし、ここ二週間ぐらい、もっと冷静な中国ウォッチャーや、国際政治学者さんなんかが、「本気で中国崩壊するかも?」というようなことをSNSで発信しているのを見るようになりました。 直接のきっかけは6月末に香港での反体制活動を禁じる「香港国家安全維持法」が公布されたことに関して欧米社会との対立が深まっていることですが、それ以前から、いわゆる中国の「戦狼外交」と呼ばれる全方位的に喧嘩を売っていく態度がここ最近止まらなくなっており、ある種の「恫喝中毒」みたいになってしまっていることがあります。 米中の覇権争いの結果としての米中冷戦が始まって、「国際協調」的な路線をとにかく敵視するトランプ大統領の強引な「アメリカ・ファースト」方針に欧米諸国では反発を感じる人も多いこともあって、中国は以下の絵のように、普通にしてれば国際協調の中心になることすら可能なように見えた時期もありました。 確かに武漢市における当初の新型コロナウィルス感染拡大を習近平政権は隠蔽しようとしたわけですが、民主主義社会でもこの種の問題に必ずしも機敏に対処できるわけではない事が全世界的に露呈してしまっている現在では、普通に謝って普通に振る舞っていれば、それほどの悪材料にはならなかったのではないかと思います。 新型コロナウィルスに対する学問研究的にもマスクや医療物資などの供給においても「普通に貢献」していれば、むしろものすごく株を上げるチャンスだったはず。 それが、火事場泥棒的に周辺諸国に軍事的圧力を加えまくったり、マスク供給と引き換えにファーウェイ製品を入れろと恫喝したり、「コロナウィルスはアメリカ由来だ」とか何言ってるんだコイツは的なことを言う外交官がいたり、感染対策に悪戦苦闘する各国政府を悪し様に批判したりしているうちに・・・ いつの間にか、米中対立は決定的な制裁モードですし、カナダなどもかなり対中姿勢を悪化させており、アメリカほどではなかった欧州諸国もそれに続きつつあります。 新型コロナ禍が世界的に拡大していった当初、日本と中国が支援物資に漢詩を

アメリカの黒人差別解消運動に日本人はどう向き合うべきか?

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(Photo by Cooper Baumgartner on Unsplash) 今アメリカで起きている人種差別反対運動(BLM=Black Lifes Matter)について、この記事は冷笑するつもりもないし水をさすつもりもないし真剣に応援したいと思っているし、逆に例えば日本には差別はないとか、アメリカの黒人差別はもう制度的にはなくなってるのに甘えてるのだ・・・とかそういう系統のことを言いたいわけでもありません。 アメリカに住んだことがなくても、ただヒップホップ音楽やアメリカ映画を見ているだけでもこの問題の深刻さは伝わってくるし、ジョージ・フロイド氏が殺害されるリアルな動画を見て、かなりツライ気持ちになりましたし、この運動が意味あるものに繋がっていってほしいと真剣に思っています。 しかし、そうやって盛り上がった運動が「求めるもの」が「警察予算の削減」って・・・あまりにぶっ飛んでいて脳内が「???」ってなりました。 NYPD(アメリカドラマに良く出てくる”ニューヨーク市警”)の予算を6ビリオンドル(6千億円強)から5ビリオンドル(5千億円強)にいきなり減らすとか、そしてその決定を喝采で迎える活動家さんたちのSNSアカウントを見ていると、本当にそれでいいのか?は真剣に考えるべきだと思います。 そういうところの「アメリカンなザツさ」が、トランプというモンスターを余計に押し上げてきたメカニズムがあるように私には感じられるからです。 この記事では、経営コンサルタント兼思想家として「グローバル(あるいはアメリカ的)なシステム」と「社会のリアリティ」との間をどう取り持つのかを実地に考えてきた立場から、どうやったら「運動の熱量を具体的変革に変えていけるのか」というような事を深く考えて、これからの時代に日本人の私たちが提示していくべきビジョンについて考える記事です。 この事件をきっかけに、今の 「なんでもアメリカ的な方法を追従する」日本社会のあり方を見直す時期に来ているのかもしれない ・・・という話もします。 ・

日本のコロナ対策の成功が欧米人に理解しづらい理由

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●こういう感じ↑になってる人、多すぎませんか? 今回の記事では、日本のコロナ対策が「何もやっていないように見えるのにうまく行った」原因をちゃんと理解するためには、日本の製造業などでは当たり前に使われている「ある考え方」を応用して考えることが必要なのだ・・・という話をします。 「よくわからないから参考にならない」とか言われてますが、そもそも単一的な要因ですべてを説明できるという「パラダイム(モノの見方)」自体を転換しないと理解できない、「日本と欧米の間でよくあるスレ違い」がここにはあるんですね。 そして、その考え方について深く知ることは、私たち日本人にとって「自分たちの本来的なオリジナリティ」を理解し、トランプvs反トランプ的な欧米文明の行き止まりを克服する希望を提示していくプロセスになるのだ、という話をします。 ついに緊急事態宣言が解除され、これから経済再開へ向かっていくわけですが、今後も難しい舵取りが必要な状況ではあります。 できるだけはやく経済再開し、そしてチラホラ出てくるでてくるであろう感染者(もう出てきてますよね)に適切に対処しつつ、大きな”第二波”に見舞われてもう一度経済を止めたりせずに済むようにするためには、 冷静な状況把握と、それに応じたアクセル・ブレーキの踏み分け が大事ですよね。急ぎすぎてもいけないし、遅すぎても経済が死んでしまう。 しかし、今の日本では、”ありとあらゆることが政治闘争のネタ”に見えてしまうような人たちの罵声が溢れかえっていて、なかなかこういう冷静な議論が進みません。 1●欧米メディアの論調は変わったが・・・ たとえば、欧米とは比べ物にならない少ない死者数に抑え込み、緊急事態宣言解除にこぎつけた日本に対して、一ヶ月ほど前は辛辣だった海外メディアの論調も随分変わってきました。 いろんな論調がありましたが、この TOKYO REVIEWという英字メディア が、 「アベの説明がうまくなかったとはいえ、データで死亡率の低さが明らかになってからも延々と陰謀論を唱え続けた一部メディアは、公平さとプロフェッショナリズムを欠いていたのではないか」 という趣旨の指摘をしていたのが一番印象的でした。 今こそ、「どういうところが良かったのか、もっと改善できるとすればどういうところ

コロナ後の経済再開の最善策は日本の製造現場が知っている

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今回の記事では、コロナ時代に経済再開するための最善策は、「日本の製造業では当たり前の“ある手法”」を応用することであるという話をします。 同時に、そうやって「自分たちの得意技」を利用してコロナ対策をしていくことで、日本はもう一度、「立場を超えて助け合える社会」へと変化していけるはずだ・・・・という話もします。 前回記事の「 ドラゴンボールで理解する、経済再開のために必要なコロナ対策 」では、一刻もはやく経済再開し、もう二度と経済と止めずに済むようにする基本的な考え方として、日本の専門家会議が出しているこの図から、 今後 オレンジ色の線(クラスター対策で対処できる線)>新規感染者数の青い線 が成り立つ状態を維持することが大事なのだ、という話をしました。 つまり クラスター対策で処理できる能力の方が新規感染者数よりも大きい状態を維持できる見通しがたてば、経済が再開できる わけですね。 その視点から前回は、 ●  私たちが工夫すべきことその1   ・オレンジ色の線をもっと上にあげるにはどうしたらいいか? →動きの遅い日本政府にクラスター対策能力(接触者追跡能力と検査キャパシティの増強)を働きかけることが大事だ という話をしました。今回は、 ●  私たちが工夫すべきことその2   ・経済的ダメージを最小にしながら青い線を下に下げ続ける にはどうしたらいいか? の具体策を話します。

ドラゴンボールで理解する経済再開の為のコロナ対策

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あたらしいせーかつよーしきってか!? 現場の状況も知らずにムチャなことばっか言って・・・ そりゃ大企業で働いてて雇用も安定しててテレワークも全然できる職種ならいいけどさ 感染症専門家に限らず今のエリートさんたちの議論は、上滑りで、生身の人間一人一人が生きて死ぬってことの勘案ができてるのか、超不安だわ。 私は経営コンサルタントの仕事以外に、 「文通」を通じて個人の人生に対するコーチング的な仕事 もしてるんですが、そのクライアントには老若男女、地方に住んでる人も都会に住んでいる人も外国に住んでいる人もいます。 その中で上記のコメントは、地方政界で頑張るお姉さん(落選中)から最近来たメールの抜粋なんですけど、政府不信というか、当局不信というか、一部で相当高まっているんだな、ということを感じさせられました。 緊急事態宣言が「一ヶ月程度」延長されることが決まり、終わりの見えない自粛生活に不安の声が高まっているのを感じます。 だからとにかく経済再開を目指したい、それは今突然の苦境に叩き込まれている業界の人たちを中心とした切実な声だと言えます。 1●最大の課題は、自分たちの対処方針が全然共有できていないこと 現状の最大の問題は、専門家会議を中心とする日本の当局も、その経済再開を目指したビジョンを一応は持っていると思われるにも関わらず、 あまりにも国民一般とのコミュニケーションが壊滅的に取れていないので、相互不信から不安ばかりが募ってしまっている ことです。 今国が何を考えてどっちに進んでいるか不安だから、自分自身で情報を取りに行こうとして変な陰謀論にハマってしまったり、イライラして攻撃的になってしまい、一部の感染者に対するバッシングにつながってしまったりする。 日本の10倍とかいうレベルで人が死んでいる欧米のリーダーが逆にやたらSNSで称賛されたりする流れがあるのも、その「自分たちがやっていること」を明確に情報共有してくれる存在が今の日本にいないことの不満の裏返しなのではないかと思います。 読者のあなたも不安でしょうか? そういうあなたに、情報を整理して現状を共有し、これからどういうことをやっていけばいいのか?を整理するのはコンサルタントの仕事の基本なので、この記事では日本の専門家会議の方針の整理と、今どうなっていて、今後自分たちが

PCR検査を増やすかどうか問題に見る日本社会の課題

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私は経営コンサルタントなのですが、普段の仕事の中で、製造業とかで「日本らしさ」的なものがちゃんと世界的に見てもちゃんと優秀性として発揮されていて、無内容な「日本スゴイ!」的な話じゃなくて「ほんとうにスゴイ」分野と普段触れることがあります。 そういう分野の経営者の人とかはみんなそろって一様に、日本において新型コロナ対策が問題になりはじめた2月下旬や3月上旬のころ、伝え聞く日本の対策のありかたについて、 「誰なのかわからないが日本の対策のリーダーには物凄い優秀な人がいるっぽい」 と言っていました。 私も同感で、当時世間で「日本は何も対策してないのになぜかうまくいっているようだ」みたいなことが言われているのが謎で、「いやいやめっちゃ的を射たスゴイ対策が絶賛進行中じゃないですか!」と思っていました。 よく、ITのセキュリティ対策チームが優秀なら優秀なほど、使い手からは「まるで何もしていない」ように感じられる・・・という話がありますが、限られた資源・限られた期間の中で今あるリソースを最大限活用して成果を出した日本の対策は超凄かったと今でも思っています。 のちのち3月中旬ぐらいになって、どうやら専門家会議ってのがあるらしいとか、西浦博氏(北海道大学大学院教授。通称「8割おじさん」)や尾身茂氏(地域医療機能推進機構理事長)、そして押谷仁氏(東北大学大学院享受)といった「顔」が認知されるようになって、彼らが出す資料などについて、「日本政府から出される資料からこんなに感銘を受けたのははじめてだ」みたいな話をチラホラとネットで見ました。 しかし一方で、3月中旬の三連休以降、だんだんと暗雲が立ち込めてきて、最終的に全国的な緊急事態宣言にまで追い込まれ、その後も混沌として未来が見通せない状況に陥ってしまっています。 私が普段の仕事の経験から感じることは、この 「3月中旬までの成功」と「それ以降の失敗」は表裏一体で、単純に「失敗」部分だけを見て「バカだねえ」というだけでは改善できない課題がある ということです。 今後も新型コロナ対策は長期戦が続きますし、私たち日本人はこの問題に立ち向かうときにどういうことを気をつけるべきなのか?について考える記事を書きます。 その議論の中で、巷を騒がせているPCR検査数を増やす増やさない・・・というような「課題

怒ってもいいし政権批判もいいが、陰謀論はやめよう

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( バナーデザイン 大嶋二郎 ) 気づけば世界大戦級の歴史的大事件になってしまった新型コロナウイルスの未曾有の世界的感染拡大の中、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 「古い社会」を敵視せずその隠れた深い合理性に着目しつつ、時代に合わせて変えるべきところを変えていく「あたらしい意識高い系」をはじめよう …というネット連載をはじめる予定でしたが、状況も状況なので、初回はこの新型コロナウイルスに対する日本の対策とそれに対する批判…という課題にからめて書こうと思います。 目次は以下の通りです。 1・怒ってもいいし政権批判もいいが、陰謀論はやめよう 2・無意味に紛糾しているようで、過去になかったフェアな議論ができつつある 3・「あたらしい意識高い系」をはじめよう

新刊「みんなで豊かになる社会はどうすれば実現するのか?」の画像倉庫。

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新刊、 「みんなで豊かになる社会はどうすれば実現するのか?」 のあとがきで触れているように、本の中の図は、著作権フリーでいろいろ議論のネタに使ってくれていい・・・という話になっているので。 発売日近辺のブログに画像倉庫を作っておきます、と書いてあるので、ここがソレです。 近況ですが、「みんなで豊かになる・・・」の紙の本のバージョン(遅れておますが近日発売です)の準備と、もう一冊別に出版社から出る方の原稿にかかりきりになっています。こういう何かを「リリース」する時って神経を凄い使うんでなかなかネットで露出してアレコレやることから遠ざかってしまいますが、ワタクシは元気にやっています。 「リリース」が色々と確定していったら、また腰を据えてネットでの活動を再開しようと思っているので、そのさいはよろしくお願いします。 では以下、図を貼っておきます。ご自由にお使いください。

ジャーナリズムさえ残るなら朝日新聞は潰していいはず

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日本の新聞や出版業界の不況のニュースを聞かない日はないぐらいですが、じゃあどうしたらいいのか?について、「そもそもの物事の見方」を変えようという提案を書きます。あらゆる「業界関係者」にとって意味あるものになるんじゃないかと思っています。 この記事の基本的発想は、過去20〜30年日本で繰り返されてきた 「その”ギョーカイ”を必死に縮小均衡で守る結果その”産業”が滅びる 」 みたいなことを辞めるにはどうしたらいいか?という話です。 目次は以下のとおり。 0●出版・新聞業界の現状を数字で確認 1●「業界の危機」を叫ぶ記事に毎回全然足りていない視点は「何のためのその業界なのか?」 2●「業界」の困窮がクリエイターやジャーナリストに与える影響について 3●その産業の一番大事な部分に、”真水”が行き渡る仕組みづくりを 4●お笑い業界や音楽業界の再生を参考に ・ ・