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PCR検査を増やすかどうか問題に見る日本社会の課題

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私は経営コンサルタントなのですが、普段の仕事の中で、製造業とかで「日本らしさ」的なものがちゃんと世界的に見てもちゃんと優秀性として発揮されていて、無内容な「日本スゴイ!」的な話じゃなくて「ほんとうにスゴイ」分野と普段触れることがあります。 そういう分野の経営者の人とかはみんなそろって一様に、日本において新型コロナ対策が問題になりはじめた2月下旬や3月上旬のころ、伝え聞く日本の対策のありかたについて、 「誰なのかわからないが日本の対策のリーダーには物凄い優秀な人がいるっぽい」 と言っていました。 私も同感で、当時世間で「日本は何も対策してないのになぜかうまくいっているようだ」みたいなことが言われているのが謎で、「いやいやめっちゃ的を射たスゴイ対策が絶賛進行中じゃないですか!」と思っていました。 よく、ITのセキュリティ対策チームが優秀なら優秀なほど、使い手からは「まるで何もしていない」ように感じられる・・・という話がありますが、限られた資源・限られた期間の中で今あるリソースを最大限活用して成果を出した日本の対策は超凄かったと今でも思っています。 のちのち3月中旬ぐらいになって、どうやら専門家会議ってのがあるらしいとか、西浦博氏(北海道大学大学院教授。通称「8割おじさん」)や尾身茂氏(地域医療機能推進機構理事長)、そして押谷仁氏(東北大学大学院享受)といった「顔」が認知されるようになって、彼らが出す資料などについて、「日本政府から出される資料からこんなに感銘を受けたのははじめてだ」みたいな話をチラホラとネットで見ました。 しかし一方で、3月中旬の三連休以降、だんだんと暗雲が立ち込めてきて、最終的に全国的な緊急事態宣言にまで追い込まれ、その後も混沌として未来が見通せない状況に陥ってしまっています。 私が普段の仕事の経験から感じることは、この 「3月中旬までの成功」と「それ以降の失敗」は表裏一体で、単純に「失敗」部分だけを見て「バカだねえ」というだけでは改善できない課題がある ということです。 今後も新型コロナ対策は長期戦が続きますし、私たち日本人はこの問題に立ち向かうときにどういうことを気をつけるべきなのか?について考える記事を書きます。 その議論の中で、巷を騒がせているPCR検査数を増やす増やさない・・・というような「課題

怒ってもいいし政権批判もいいが、陰謀論はやめよう

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( バナーデザイン 大嶋二郎 ) 気づけば世界大戦級の歴史的大事件になってしまった新型コロナウイルスの未曾有の世界的感染拡大の中、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 「古い社会」を敵視せずその隠れた深い合理性に着目しつつ、時代に合わせて変えるべきところを変えていく「あたらしい意識高い系」をはじめよう …というネット連載をはじめる予定でしたが、状況も状況なので、初回はこの新型コロナウイルスに対する日本の対策とそれに対する批判…という課題にからめて書こうと思います。 目次は以下の通りです。 1・怒ってもいいし政権批判もいいが、陰謀論はやめよう 2・無意味に紛糾しているようで、過去になかったフェアな議論ができつつある 3・「あたらしい意識高い系」をはじめよう